福井保久の二十四節気考

今年の5月5日は旧暦で3月26日、この日は立夏(二十四節気)です。

農家はいつも天候を気にかけるのがクセになっています。
ほしいも農家は農閑期の冬でも干し芋加工がありますから、冬でも気にかけます。
干し芋加工時の冬の方が天候を気にしているかもしれません。

昨シーズンの加工時、12月から2月にかけては、ほしいも加工には好都合の寒い日々でした。
それが一転して3月からは暖かくなりました。
梅の名所の偕楽園では、梅と桜が一緒に咲くかもしれないという話にもなっていました。

暖かい春は、ほしいも農家にとっては仕事がやりやすいので歓迎です。
種芋の伏せ込み(苗床に植えることです)は寒い日はご法度ですし、育苗には温度が不可欠だからです。

今年の育苗はスムーズに進みそうだと思っていましたが、そうは問屋は卸してくれません。
4月下旬の寒波は、この時期では大変めずらしい、畑に霜柱が立つ程の寒さでした。
この影響を強く受けたのが、サツマイモ苗です。
出てきたばかりの新芽が霜焼けになってしまいました。
なかなか上手く行かないものです。
天気予報を気にして十分に警戒していたのですが。

二十四節気『立夏』はそんな遅霜がこの頃まであることを教えてくれています。
先人の知恵をまた痛感する想いでした。

福井 保久